パソコン選びでコスパを重視すると必ず候補に挙がるDellですが、ネットで検索すると「Dell やめとけ」「壊れやすい」「最悪」といった不穏なキーワードが並んでいて不安になりますよね。実はその評判、半分は正解で半分は誤解なんです。私自身も多くのガジェットに触れてきましたが、Dell製品には明確に「選んではいけないモデル」と「プロも認める神コスパモデル」が存在します。この記事では、なぜ悪い評判が立つのかという構造的な理由から、リスクを回避して賢く購入するための具体的な方法までを、包み隠さずお話しします。
記事のポイント
- InspironやXPSで報告される具体的な不具合とリスク
- 個人向けと法人向けで全く異なるサポート体制の実態
- Dell製品の納期トラブルを避けるための賢い購入方法
- リスクを回避して選ぶべき代替メーカーと推奨モデル
「Dellやめとけ」と言われる理由と不具合の真実

まずは、なぜ多くのユーザーが検索窓にネガティブな言葉を打ち込むことになったのか、その根本的な原因を見ていきましょう。火のない所に煙は立たないと言うように、Dell特定のモデルには構造的な弱点が存在します。
Inspironのヒンジ破損と設計問題
安価で人気のInspironシリーズですが、実は「物理的に壊れやすい」という声が少なくありません。特にエントリーモデルの「Inspiron 15 3000」シリーズなどでは、パソコンを開閉するヒンジ部分の破損が報告されています。
主な症状と原因
コストダウンのために、金属製のヒンジ金具をプラスチックの筐体に直接固定しているケースがあります。経年劣化でグリスが固くなると、開閉の負荷にプラスチックが耐えきれず、バキッと根元から割れてしまうんです。
こうなると、単にネジを締め直すだけでは直りません。トップカバーごとの交換が必要になり、数万円の修理費がかかってしまうことも。「安く買ったのに修理費が高い」というジレンマが、ユーザーの不満に直結しているんですね。
高級機XPSで発生するコイル鳴き
デザインが美しく、Windowsノートの最高峰とも言われるXPSシリーズ。しかし、この高級機には「コイル鳴き」という厄介な問題がつきまといます。静かな部屋で作業していると、「ジー」「キーン」という電子音が聞こえてくる現象です。
これは高性能な部品を薄い筐体に詰め込んでいる弊害とも言えますが、さらに厄介なのはメーカーの対応です。Dell側はこの音を「仕様の範囲内」として扱うことが多く、修理や交換に応じてもらえないケースが多発しています。20万円以上するPCでこの対応は、正直なところ厳しいかなと思います。
ゲーミングPCの熱暴走とファン音
AlienwareやGシリーズといったゲーミングモデルでも、熱設計に関する課題が指摘されています。特にエントリー向けのGシリーズでは、アイドル時(何もしていない時)でもCPU温度が高くなったり、ファン制御がうまくいかず冷却が追いつかなかったりする事例があります。
高負荷時にはキーボードの表面温度がかなり高くなることもあるため、膝上でゲームをするのは避けたほうが無難です。スペック上の数値は高くても、それを維持するための冷却機構にコストカットの影響が出ている可能性があります。
個人向けサポートの品質と修理の壁
「サポートに電話が繋がらない」「カタコトの日本語で話が通じない」といった悪評の多くは、標準の「ベーシックサポート」を利用した個人ユーザーからのものです。
サポートの階層構造
Dellのサポートは明確にランク分けされています。標準サポートは海外のコールセンターに繋がりやすく、マニュアル通りの対応になりがち。一方で、法人向けの「ProSupport」などは国内の熟練エンジニアが対応してくれるため、評価が天と地ほど違います。
この格差を知らずに「Dellはサポートが悪い」と感じてしまうユーザーが多いのも無理はありません。
納期遅延によるトラブルのリスク
DellのPCは基本的に受注生産(BTO)で、中国の工場から出荷されます。そのため、注文してから届くまでに2週間〜1ヶ月近くかかることも珍しくありません。「新生活に間に合わせたいのに届かない!」というトラブルは、毎年春になるとよく聞く話です。
特にカスタマイズを加えると納期が伸びやすいため、急いでいる人にとっては大きなデメリットになります。
「Dellやめとけ」は嘘?買うべき人と回避策

ここまでネガティブな面を見てきましたが、それでもDellが世界シェア上位にいるのには理由があります。選び方と買い方さえ間違えなければ、最強のコストパフォーマンスを発揮するのも事実です。
納期を短縮する即納モデルの活用術
先ほど納期のリスクをお話ししましたが、実はこれを回避する裏技があります。それが「即納モデル(あす楽対応)」です。
これは国内の倉庫に既に在庫があるモデルのことで、平日のお昼12時までに注文すれば、なんと当日出荷・最短翌日配送が可能です。スペックのカスタマイズはできませんが、急いでPCが必要な場合には非常に強力な選択肢になります。
狙い目は法人モデルLatitudeの中古
私が個人的に最も推したいのが、法人向けモデル「Latitude」の中古です。「Dellはやめとけ」と言われる要素(ヒンジの弱さや整備性)が、このLatitudeにはほとんど当てはまりません。
Latitudeがおすすめな理由
- プロの現場で使われる前提で作られているため頑丈
- 底面を開けてバッテリー交換やメモリ増設が簡単にできる
- リースの満了品が大量に出回るため、中古価格が激安
2〜3万円台で買える第8世代Core i5搭載のLatitudeは、文書作成やWeb閲覧用としては最強のコスパ機です。「新品のInspiron」ではなく「中古のLatitude」を選ぶのが、玄人の賢い選択だと言えます。
国内メーカーやMacBookとの比較
それでもやっぱり不安だという方は、他メーカーと比較して検討してみましょう。
| 比較対象 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 国内メーカー (NEC/富士通など) | 軽量・頑丈で、初心者へのサポートが手厚い。 | 価格が高い(Dellの1.5〜2倍近いことも)。 |
| MacBook Air/Pro | リセールバリューが高く、筐体の品質やバッテリー持ちが完璧。 | Windows専用ソフトが動かない。OSの慣れが必要。 |
| Lenovo (ThinkPad) | キーボードの打ち心地が最高。トラックポイントが便利。 | デザインが無骨。Dell同様、納期がかかる場合がある。 |
「どうしても失敗したくない」「親にプレゼントする」といった場合は、高くても国内メーカーを選ぶのが無難かもしれません。逆に、コスパ最優先ならDellやLenovoが強いですね。
有償サポートで安心を買う選択肢
「仕事で使うから、万が一の時に止まると困る」という場合は、購入時に有償の「Premium Support」や「ProSupport」をつけることを強くおすすめします。
これを追加すると、24時間365日の対応や、国内拠点からのオンサイト修理(技術者が家に来て直してくれる)が受けられるようになります。「Dellのサポートは神対応」と言っている人は、だいたいこの有償サポートに入っている人たちです。
目的別のおすすめモデルと選び方
最後に、ユーザーのタイプ別におすすめの判断基準を整理します。
- 学生・一般ユーザー: Inspironは扱い(特に開閉)に注意が必要。予算が許せばMacBook Airか、国内メーカーが安心。
- クリエイター: XPSはコイル鳴きのリスクを許容できるか確認。MacBook Proの方がハードウェアの完成度は高い傾向。
- ビジネス・コスパ重視: 新品なら即納モデル。中古ならLatitude一択。
まとめ:「Dellやめとけ」の判断基準
まとめ
- 「Dell やめとけ」はInspironのヒンジやサポート品質への警告である。
- XPSのコイル鳴きは仕様とされることが多く、完全な回避は難しい。
- 急ぎの場合はBTOではなく「即納モデル」を選ぶのが鉄則。
- 法人モデル(Latitude)や有償サポート加入時は評価が一変する。
- 自分のスキルと用途に合わせて、リスクとコスパを天秤にかけるべき。

